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「スーパーマーケット・トレードショー2021」に「やまなしブース」を出展しました。(2/17~19、幕張メッセ)
今回甲府商工会議所が出展した「スーパーマーケット・トレードショー2021」は、一般社団法人全国スーパーマーケット協会が主催し、スーパーマーケットを中心とする食品流通業界に最新情報を発信する国内最大規模の展示商談会で、北は北海道から南は沖縄までの全国のスーパーマーケット、百貨店、コンビニエンスストア、ネット通販を中心とした小売業をはじめ、商社・問屋、飲食店、宿泊施設関係者などから多数のバイヤーが来場するなど、出展者の新たな販路やビジネスチャンスにつながる場として定着し、今回で55回を数える。(会場:幕張メッセ、会期:令和3年2月17日~19日)
当展示商談会は、大手食品関連企業のブースの他、各都道府県単位で出展する「地方・地域産品ゾーン」のブースが例年人気であり、地方の隠れた逸品・新商品の発掘を目指すバイヤーが多く訪れる。(百貨店やスーパーで行われる地方物産展で販売する目玉商品を揃えるため)当所の「やまなしブース」もこのゾーンに出展し、参加した15社(15小間)が全国から訪れたバイヤー等と精力的に商談を行った。スーパーマーケット・トレードショー2021「やまなしブース」出展報告
今回の展示会は、全国的な新型コロナウィルス感染拡大により、国による緊急事態宣言の真只中での開催であり開催自体が危ぶまれたが、徹底した感染症対策のもとでなんとか開催にこぎつけた。会場入口での検温、マスク着用チェック、手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保の他、入場については完全招待制かつ事前登録制により来場者が大幅に制限されることになった。これらの影響もあり、今回の出展者数は1,308社・団体、2,261小間(昨年は2,326社・団体、3,577小間)で、昨年に比べて出展社数で56%、小間数で63%の規模となった。
また、来場者数についても、3日間で26,385名(昨年は80,428名)と昨年の32.8%と大幅な減少となった。
出展者からのアンケートを見ると「相次ぐ展示会の中止により商談の機会が失われていたので、開催していただき次の兆しが見え感謝しています」、「来場者が少なかったのは残念ですが、一人一人のお客様とじっくりと内容の濃い商談ができ良かったです」、「予想以上に来場者が少なく厳しかったですが、そのような中でも大きな売り上げにつながる案件をいただきました」、「来場者数減の割合に比べて名刺獲得数はさほど落ちていないです」、「弊社のような零細企業は、このような大規模展示会に出展することは資金面において不可能であり、また全国にわたる新規取引先を開拓することは平素の営業では難しく、県単位の大規模ブースに出展させていただき感謝しています」、「自社製品の営業のみならず、同業他社の取り組みやトレンド調査も勉強かつ刺激になります」、「今回のご縁を無駄にせず、コロナ終息後の次につながる種まきと実りの収穫に向けた準備を怠らないようにしたいと思います」などの声があった。また来場するお客様についても、このようなコロナ禍の中でも来場されるだけあって、試飲や試食を目的にした素見の客は少なく、新商品の発掘や新たな情報を取ろうと真剣かつ意欲的に商談に望む姿が見られた。
展示会終了直後に出展者からとった商談に関するアンケートを見ると、3日間の商談件数の合計は484件となった。この内、成約数6件(1.24%)、成約見込み16件(3.31%)、商談継続297件(61.36%)、名刺獲得のみ163件(33.68%)、不成立2件(0.41%)となった。この内6割以上にのぼる商談継続の案件の中には、「サンプル送付の要請」、「見積提出の要請」、「OEMの提案」、「試作依頼」、「共同開発の提案」など前向きな商談が多く、今後さらに成約へと進む案件が増えていくと見られる。また「成約」「成約見込み」の22件(4.55%)の中には、「通販サイト」、「スーパー」、「量販店」、「コンビニ」、「生協」など大手との取引決定、または見込みの案件もあり、新規開拓による売り上げ拡大につながっている。
商談先は、やはり関東近郊の割合が多いが、中には北海道、石川、福井、富山、愛知、和歌山、京都、大阪、兵庫、福岡、佐賀、沖縄、更には中国、台湾の業者との商談もあり、これら遠方の会社に実際に営業に行くとなると、相当のコストや時間を要することになるが、展示会場にて商談することにより、出張経費や人件費、時間外労働の削減につながり、経営の合理化が進むことで業績が好転し、将来的な賃金のアップ、有給取得率のアップ等の働き方改革の推進を図る上では有効的な事業となった。
今回の展示商談会への出展が、いかに各社の働き方改革の推進につながったかをアンケートにて聞き取り、その主な回答は下記の通りとなった。アンケート結果
以上のとおり、当展示会に出展したことにより、各社の経営の合理化、販路拡大、業績向上につながり、そのことが各社における働き方改革の推進に効果があった事が伺えた。A社 北海道、九州、沖縄等の遠隔地については宿泊出張による商談が必要な地域であり、交通費が多額になる地域でもあるため、今次の展示会での商談により大幅な費用の削減と、本州からの移動時間(60時間)と現地での移動時間(20時間)の削減が達成でき営業担当者の労働時間は10日分大幅に削減できました。また、東京都ほか関東地区所在の商談先についても、移動なく短時間で大きな効果を生むことができたため、商談時間1か所あたり1時間×30社、合計30時間の削減や移動時間40分×30社、合計20時間の削減となり大きな改善になりました。展示品の手配については、グループ内商品の一括配送により設営および撤収時間の削減合計6時間に大きな効果があり、設置日および最終日の時間外労働4時間が削減できました。 B社 3日間で60件の商談ができました。同じ内容の商談を出張ベースで行おうとすると20営業日費やすことになります。出張時の移動時間が1日平均5時間、半分は時間外労働なので、50時間の時間外労働を削減できました。今展示会を含め展示会出展で時間外労働削減が進み、このところ実施出来なかった非正規社員の時給アップを実施できました。また有給休暇の積極的な消化が社命で出され、2020年は対前年比50%アップとなりました。 C社 昨年来から数社にアポイント後アプローチを試みましたが、コロナ禍を理由に全てキャンセルされてしまいました。今回の展示会が開催されたことにより昨年アポイント後キャンセルされてしまった数社も会場に足を運んで頂き僅かな時間ではありましたが商品の説明が直接出来ました。この展示会が出来たことにより、5社余り個々に訪ねる予定が会場で済んだことと会場で新規のお客様15社余りと名刺交換し商品の説明が出来た事等メリットがありました。先に記した5社に直接、社長の私が訪ねる時に留守番をしてくれる5人の社員に掛かる労働時間と時間外労働が一人当たり一日3時間程度なくすことが出来ました。 D社 本展示会に参加し、1日に約10社と商談(3日間で約30社)、商談するための移動時間15時間削減、交通費5万を削減、従業員の時間外労働を7時間(47%)削減できました。 また成約件数増加により売上アップにより、労働者の賃上げにつながる予定です。 指定有給休暇(5日間)グループ全社員100%取得化と1月から社員の給料アップを行っております。 E社 昨年来から数社にアポイント後アプローチを試みましたが、コロナ禍を理由に全てキャンセルされてしまいました。今回の展示会が開催されたことにより昨年アポイント後キャンセルされてしまった数社も会場に足を運んで頂き僅かな時間ではありましたが商品の説明が直接出来ました。この展示会が出来たことにより、5社余り個々に訪ねる予定が会場で済んだことと会場で新規のお客様15社余りと名刺交換し商品の説明が出来た事等メリットがありました。先に記した5社に直接、社長の私が訪ねる時に留守番をしてくれる5人の社員に掛かる労働時間と時間外労働が一人当たり一日3時間程度なくすことが出来ました。 F社 今回展示会へ出展することで、テレフォンアポイントなどの時間を省くことが出来たことにより効率アップによる従業員の時間外労働を20%削減が実現できました。また、展示会で商品の直接的なご紹介や商品サンプルのお渡しなどにより見本品を送る分のコスト削減からその作業量の削減により合理化がはかられ賞与等への賃上げにつなげることが出来ます。 G社 本展示会において既存取引先及び新規取引先との商談ができたことにより、改めて取引先へ伺うことが不要となりました。その移動にかかる時間を他の業務に充てることができ、約50時間の残業時間の削減と有給を取得しやすい環境が作れました。 H社 本展示会に3日間出展することで、関東をはじめ全国から決裁権をもつ担当者が集結し スムーズな商談ができました。また、商談先都合による休日商談の影響での休日労働の削減につながります。遠方への新規出張による潜在経費を含めた費用を、次期販促活動の補填につなげるとともに、営業活動が難しかったエリアへの拡販展望による業績UPにより、それに伴う賃上げが期待できます。 I社 今回の展示会出展により弊社の主力である甲州小梅を主に商談ができ、商談成立の暁には小梅を主体的に製造する事で生産効率が向上出来ると思います。また商談で興味を示して頂けた会社も多数あり、遠くは福岡県、兵庫県、和歌山県など対面でのご挨拶が出来たことで移動時間・経費が削減でき、移動時間分を他の業務に充て経費は賞与などへ還元する事が出来ます。また現在のコロナ禍でのリスクを伴った移動も削減出来ました。 J社 当社は日本全国及び海外にも取引先があり、直接商談するための移動時間や経費が膨大となります。今回の展示会に出展する際、事前にアポイントを取り、来場いただいたため、効率よく商談できたと思います。また、出張による移動に費やした時間や経費を削減でき、その分を新商品の開発やマーケティングに活用することができ、経営の合理化ができました。 I社 本展示会を含めた「一斉商品紹介」方式を実施できることにより、本来であれば個々へのアプローチングに必要な時間の短縮・削減となりました。これついては1社に要する平均商談時間を移動時間込みで3.5h程度から見積もった際には、莫大な時間に換算できるほどであります。また、この展示会を含めた派生として、将来的に商品の集中化・集約化が叶うと、必然的に生産効率の向上と安定につながり、それが延いては人員の時間外労働削減につながります。事実、昨年の展示会出展時期からにおいて工場従事者の平均残業時間は短くなる傾向にあります。本展示会における来場者・出展社(特に首都圏近郊以外の企業については顕著に)商談費用の大幅な削減につながります。普段は遠方のためなかなか商談が叶わない中でも、展示会会期内での商談時間を設けられる利点があります。これらの点から総合的なコスト削減につながり、昨年展示会から営業人員を1名追加することができました。また今後もこのような活動を有益に利用することで、指定有給休暇(5日間)100%取得はもちろんのこと、休日出勤0日、有給消化率UP、臨時賞与支給を目指しています。 お問い合わせ