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【経済産業省】毎年9月・3月は『価格交渉促進月間』です!
現在、政府では、新しい資本主義の実現に向け、成長と分配の好循環を生み出すべく、民間企業による賃上げの環境整備に取り組んでおります。我が国の雇用の約7割を支える中小企業における賃上げを実現するためには、下請中小企業が付加価値を確保できるよう、コストの適切な価格転嫁が必要不可欠です。特に昨今、原材料価格やエネルギー価格、労務費等が大きく上昇しており、下請中小企業へのしわ寄せを解消し、これらコスト上昇による負担をサプライチェーン全体で適切に分担するためにも、価格転嫁の実現は喫緊の課題です。
政府としては、毎年9月と3月を「価格交渉促進月間」と定め、その月間の終了後には、実際に価格交渉及び価格転嫁が出来たか、下請事業者からのアンケート等によってフォローアップ調査を実施し、その調査結果を取り纏め、内容を充実させつつ公表しているほか、評価が芳しくない事業者に対しては、事業所管大臣名で代表者に対して指導・助言を行い、改善を促す等、取引適正化に向けた取組を強化しております。
来る9月においても、「価格交渉促進月間」を実施致します。交渉・転嫁の実践、その後のフォローアップ調査や指導・助言等による改善といった「実践と改善のサイクル」を通じ、価格交渉及び価格転嫁が定期的に行われる取引慣行の定着を図ってまいります。
貴団体におかれましては、本要請文を各会員企業に周知いただき、特に下記の点について御依頼いただきますよう、お願い申し上げます。
また、各団体から周知・依頼を受けた企業におかれては、代表者の方から現場の調達担当の方々まで本要請文の趣旨を周知・徹底いただくよう、特段の御配慮をお願い申し上げます。
なお、政府では、サプライチェーン全体の価値の増大、共存共栄を目指す「パートナーシップ構築宣言」の取組を推進しております。同宣言をまだされていない企業におかれては、宣言の実施について御検討いただくようお願い申し上げます。既に宣言されている企業におかれては、自社のパートナーシップ構築宣言について、調達担当の方々へ一層の浸透を図っていただくよう、お願い申し上げます。
記
1.価格交渉及び価格転嫁への積極的な対応
発注側企業におかれては、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」に則り、受注側中小企業からの価格交渉の申し出には遅滞なく応じ、価格転嫁に積極的に応じるなど、サプライチェーン全体の競争力向上、共存共栄の関係の構築に向け、適切に御対応いただきたいこと。
2.フォローアップ調査(受注側中小企業への調査)に対する御協力
9月以降、受注側中小企業を対象に実施予定の下記調査の依頼があった場合、対象となった中小企業におかれては、積極的に御協力頂きたいこと。
(1)アンケート調査(受注側中小企業30万社程度に対して配布。最大で3社、主要な発注側企業を指定していただき、1社ごとに価格交渉や価格転嫁の状況について御回答いただく予定)
(2)下請Gメンによる重点的なヒアリング(受注側中小企業2千社程度へのヒアリング。価格交渉や価格転嫁の実態を聴取させていただく)
また、本フォローアップ調査結果を踏まえ、更なる価格交渉・転嫁の促進に向け、下記を実施する予定です。
①業種ごとに、親事業者の対応や価格転嫁率を算出して順位付けし、良い事例や問題のある事例と併せて公表すること(参考1)
②多くの受注側中小企業から回答があった親事業者について、企業ごとの「回答企業数」、「価格交渉の回答状況」、「価格転嫁の回答状況」のリストを公表すること(参考2)
③受注側中小企業からの価において、価格交渉や価格転嫁の実施状況が芳しくない発注側企業を特定し、その企業の代表者の方に対して、下請中小企業振興法に基づき、事業所管大臣名での「指導・助言」を実施し、改善を促すこと(2021年9月:10数社に対して指導・助言。2022年3月:20数社。2022年9月:約30社。)
④独占禁止法や下請代金法の違反が疑われる事案については、公正取引委員会と中小企業庁が連携して対処すること
※これらは、発注側企業によって、回答いただいた受注側中小企業が特定されることのないよう、厳しく情報管理するとともに、事例の公表に当たっても十分な匿名化の上、実施します。また、親事業者への「指導・助言」の実施や、リストの公表に当たっては、個社の回答のみをもって実施することはなく、複数から回答があった場合のみ実施しますので、受注側中小企業におかれては安心して御回答ください。お問い合わせ