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File.14 暮らしの保健室 晴ればれ(2022年10月掲載)
2024/11/26
「地域で生きる」に寄り添う。
「暮らしの保健 室晴ればれ」は、甲府市中心商店街にある、誰でも気軽に立ち寄れる「保健室」と「レンタルキッチンスペース」が一体になったお店です。
店内にはイートインコーナーがあり、コロナ前はワンコインランチが人気でしたが、現在は残念ながら休止中。代わりに、日替わりでテイクアウトのお総菜を販売しています。
露木さんが代表取締役を務める㈱洗心は、訪問看護ステーションの運営を中心に、老人ホーム、介護支援など、介護・医療に関する困りごとに幅広く対応する事業を展開しています。「暮らしの保健室 晴ればれ」は、そのような事業展開の一角を担う施設で、知識のある専門家に、友人のように、気兼ねなく相談ができる場所です。
露木さんは、30年の看護師生活で沢山の患者さんの最期を看取ってきました。末期の闘病は、食事や外出が制限されたり、抗がん剤を使えば副作用で髪が抜けてしまったり、肉体・精神への負担が非常に大きいものです。その中で、「最期は自宅で過ごしたい。最期まで自分らしくありたい。」と考える患者さんが多いことを知り、自身で訪問看護ステーションを立ち上げました。
「現代では、入院しなければ受けられない治療は、実のところそう多くありません。住み慣れた地域で、家庭で、最期を迎えることも十分に選択できる時代です。人生の最期をどう過ごしたいか、しっかりとした考えがある人は多くないと思いますが、“自分らしい最期”を考える患者さんや、そのご家族に寄り添うことができれば、と考えたのが、晴ればれを開設した理由のひとつです。」
そんな晴ればれには、ランチやお惣菜を求め、地域の高齢者やサラリーマンが多く来店します。取材に伺った日も、お客さんが続々。お惣菜を眺めていた私に「そのチャーシュー、前に買って食べたけど美味しかったよ。」と声をかけてくれたおじいさんも、毎日のように足を運ぶのだとか。
「孤独が病気を作る」というのが露木さんの考えです。お総菜はあくまでも来てもらうきっかけですが、高齢者にとっては重要な、社会とのかかわりを持つ場になっています。体を壊し、提携クリニックを受診した高齢者をスタッフとして雇い入れることもあるなど、地域の孤独を取り除くことも、晴ればれの重要な役割なのです。
現役看護師が教える!~よくわかる介護保険講座~
何に使えるの?お金はどれくらいかかるの?知っているようで知らない、介護保険制度について学べる人気の講座です。
「既に保険を使っている方はもちろん、自分やパートナー、親の年齢を考え、そろそろだな・・・と受講される方が多いです。なかなか相談する相手が難しい問題なので、同じ悩みを持つ方同士で仲間意識が芽生えるのか、受講者間で話が弾むこともあります。」
コロナでお客さんとの関係を築くことも思うようにいかないなか、まちゼミを受講して、通ってくれるようになったお客様もいるとか。悩みは1人で抱え込まず、ぜひ「暮らしの保健室」へ!
"かかりつけ医”を持ちましょう。店主直伝豆知識
大きな総合病院に「体調が悪いから」と飛び込んでも、何を受診すべきか、緊急か否かなど、診察に繋がる前の時間が長くかかります。検査の予約が一か月後などということも少なくありません。いつものあなたを知っている“かかりつけ医”を持っておくと、受診までの流れも、検査の必要性もきちんと紹介してくれるのでスムーズです。インフルエンザの予防接種や風邪、健康診断を兼ねて、近くの先生にかかりつけ医になってもらっておくと安心ですよ。暮らしの保健室 晴ればれ
甲府市中央1-5-6 デュオヒルズ甲府1F 開所時間/11:00~13:30
レンタルキッチンスペース Rosée maman (ロゼ・ママン) レンタル利用時間/10:00~22:00(詳細はHPをご覧ください。)
※本記事は甲府商工会議所だより2022年10月号に掲載しました。お問い合わせ