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File.16 山梨万年筆商会(2023年07月掲載)
2024/11/26
生涯の友となる万年筆に出逢える店。
「モンブランを使う人はモンブランを贈ります」
甲府駅から中心街への道すがら、この印象的な看板を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。オリオンスクエアの北側に位置する山梨万年筆商会さんは、この地で営業を続け、今年で創業75年を迎えた老舗の筆記具店です。メインで取り扱うのはもちろん万年筆。店内にはモンプラン、パーカー、ペリカン、パイロットといった国内外の有名ブランド筆記具がずらりと並びます。
パソコンや携帯電話が普及し、文字を書く機会が少なくなった現代でも、万年筆は多くの人に親しまれる筆記具です。何がそんなに人を惹きつけるのか、田澤康太さんに伺いました。
「万年筆はしっかりと手入れをしてあげれば、その名の通り長く使うことができます。ペン先は使うほどに少しずつ摩耗していきますが。そのぶん書きダセに応じて手に馴染んでいきます。長年愛用すれば、“あなただけの万年筆”になるんです。」
万年筆の魅力を伝える弁には熱がこもります。康太さんの祖母、深澤英子さんも、一本の万年筆を40年間愛用しているのだそうです。
「また、万年筆はボールペンや鉛筆と違ってほとんど筆圧が要らないので、長時間書いても疲れません。筆圧に応じて文字の太さも変化するため、水性インクの作る濃淡も合わさって、文字に個性が現れやすい点も魅力です」
実際に万年筆を手に取り、書かせてもらいました。ボールペンと違う、水性インクのスイスイとした書き味が、非常に心地良いです。
「現在はネットでも購入できますが、やはり万年筆は実際に手にとってお選び頂くことをお薦めします。当店では、色々なモデルをお試しいただきながら、最適な万年筆を選ぶことができます。贈答用でも、お話を伺いしながら、利用シーンなどに応じた一本を探すお手伝いをしています。」
敷居の高い印象もある万年筆ですが、最近では低価格で手に取りやすいエントリーモデルも多数出ているそうです。もちろん、山梨万年筆商会さんでは、こういったエントリーモデルから、本格的な高級モデルまで1,000本以上の豊富な品揃えです。
あなたの「生涯の友」となる万年筆もきっとあります。ぜひ一度ご来店ください。
ガラスペンでカラーインクを楽しもう!
ペン先に水性インクを浸して書くガラスペン。工芸品のような美しさからSNSで話題ですが、最近ではカラーインク集めにハマる方も増えているのだとか。
今回のまちゼミで、山梨万年筆商会さんが開講するのは、ガラスペンを使って色とりどりのカラーインクを楽しむ講座です。ガラスペンの取り扱いや、万年筆でも使えるカラーインクの知識を学びます。
カラーインクの綺麗な色と、コスメのような可愛らしさに魅せられて、あなたもついつい集めたくなってしまうかも?皆様、是非ご参加ください。
店主直伝豆知識
「万年筆を使う楽しみの1つは、好みの色のインクで文字を書くことが出来ることです。ただ、購入して3年以上過ぎたインクは酸化が進み、劣化し、万年筆のインク詰まりの原因となります。また、インクの色目も変わってきます。インクを購入したら、外箱やインク瓶のラベルの隅に購入日を書いておくことをお勧めします。」山梨万年筆商会
所在地:甲府市丸の内1丁目16-1 TEL:055-233-4377 営業時間:10:00~19:00(不定休)
※本記事は甲府商工会議所だより2023年07月号に掲載しました。お問い合わせ